西洋医学のお薬よりは副作用が少ないといわれている漢方ですが、
漫然と内服していると思わぬ副作用を引き起こすことがあります。
ずいぶん前の症例では、
美空ひばりさんの甘草による副作用。
甘草は抗炎症作用があり、多くの漢方薬に含まれています。(約7割!)
しかし、カリウムという成分を排出する性質があり、
甘草入りの漢方薬を常用しているところに、(カリウムが低め推移で稼働しているところに)
下痢や嘔吐など体内から大切なミネラル(ナトリウム、カリウム、その他)を取り入れる事ができない場合に急変(死に至る場合もある)しやすいです。
さて甘草を比較的多く含む漢方薬の名前と効能を挙げておきます。
(一日量に2.5グラム以上含まれているもの)
・黄連湯(おうれんとう)胃部の停滞感や重圧感、食欲不振のある次の諸症状:急性胃炎、二日酔い、口内炎。
・乙字等(おつじとう)症状がそれほど激しくなく、体力が中くらいで衰弱指定ないものの次の諸症状:切れ痔、いぼ痔。
・甘草湯(かんぞうとう)ツムラ説明なし
・甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)夜泣き、ひきつけ
・桔梗湯(ききょうとう)咽頭がはれて痛む次の諸症状:扁桃炎、扁桃周囲炎
・芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)痔出血
・桂枝人参湯(けいしにんじんとう)胃腸の弱い人の諸症状:頭痛、動悸、急性胃腸炎、胃アトニー
・五淋散(ごりんさん)頻尿、排尿時痛、残尿感
・炙甘草湯(しゃかんぞうとう)体力が衰えて,疲れやすいものの動悸、息切れ
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)急激におこる筋肉の痙攣を伴う疼痛:筋肉、関節痛、胃痛、腹痛(こむらがえりによくききます)
・芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)ツムラ説明なし
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)次疾患における水様の痰、水様鼻汁、鼻閉、くしゃみ、喘鳴、咳嗽、流涙:気管支炎、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、感冒
・人参湯(にんじんとう)体質虚弱の比と、あるいは体力低下した人の次の諸症状:急性・慢性胃カタル、胃アトニー症、胃拡張、悪阻(つわり)、萎縮腎
排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)患部が発赤、主張して疼痛をともなった化膿症、傷、癤(せつ)、面疔、その他癤腫症
・半夏寫心湯(はんげしゃしんとう)みぞおちがつかえ、時に悪心、嘔吐があり、しょく食欲不振で腹がなって軟便、または下痢の傾向のある物の諸症状:急,慢性胃腸カタル、発酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔い、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症
・附子人参湯(ぶしにんじんとう)ツムラ説明なし
急性期に使うには心配なものもありますが、
こむら返りには本当によくきいてくれるものや、
食欲のないかたへのしたざさえになってくれる物など沢山あります。
漫然にとにかく薬はリスクという意識で活用していくことが大事ですね。
次の薬を内服中の方へは使用注意:
①甘草含有製剤②グリチルリチンおよびその塩類を含有する製剤③ループ系利尿剤
④サイアザイド系利尿剤
次の病気の方へな禁忌:
①アルドステロン症の患者②ミオパシーのある患者③低カリウム血症のある患者
**コロナウイルス対策にも。**
一度消されかけたみたいですが、復活しています。
長崎の漢方医の先生のお話です。
こちらで紹介されていたのは生姜の成分が入っている
トウキシギャクカゴシュウユショウキョウトウです。