ついこの間百薬の長であるとされていたお酒が、
実は身体には害にしかならないという情報がでたばかりですが、
今度は痛風についての今までとは取り組み方を変えなければならない情報が流れてきました。
美味しものを食べて生じるから王様の病気とも言われる痛風ですが、
じつは食事よりも遺伝子が重要なカギを握っているというのです。
痛風(高尿酸血症)の治療を受けたことのある人は経験があるとおもいますが、
必ず食事指導を受けなければなりません。
尿酸値を高くする食材は避けるようにと。
美味しいものほどたくさん含まれているのに。
そんなこんなで我慢をされていた方には少しだけ朗報です。
自身の努力で抑えられる病気ではないことがわかったからです。
高尿酸血症を生じる原因としてあげられていた食材の影響はちいさく、
遺伝子からの影響が大きいことがわかりました。
いくら食事内容を気を付けてもあまり尿酸値をさげることへはあまり関与していなかったのです。
以下報告の一部抜粋です。
ニュージーランド・University of OtagoのTanya J. Major氏らは、米国の人口ベースのコホート研究5件を対象にメタ解析を行い、痛風に先立つ高尿酸血症の発症において、遺伝子が食事よりも重要でな影響を及ぼすことが示されたとBMJ(2018; 363: k3951)に発表した。
解析対象は、尿酸値、遺伝子プロファイル、食事、交絡因子(性、年齢、BMI、1日のカロリー摂取量、学歴、運動量、喫煙状況)に関するデータが得られ、高尿酸血症治療薬または利尿薬の使用歴がなく、腎臓病または痛風を有さない18歳以上の欧州系米国人1万6,760例(男性8,414例、女性8,346例)。
個々の食品の摂取や食事スコアと尿酸値の変化との関連について解析した結果、7種類の食品(ビール、蒸留酒、ワイン、ジャガイモ、鶏肉、清涼飲料水、牛・豚・子羊肉)が尿酸値の上昇と関連し、8種類の食品(卵、ピーナツ、コールドシリアル、スキムミルク、チーズ、全粒粉パン、マーガリン、かんきつ類以外の果物)は尿酸値の低下と関連することが示された。しかし、個々の食品摂取で説明できる尿酸値の変化は0.06~0.99%にすぎなかった。
遺伝子解析では尿酸値の変化の23.9%が頻度が高い一塩基多型で説明できることが示された。一塩基多型で説明できる尿酸値の変化は、男性コホートで23.8%、女性コホートで40.3%と推定された。
高尿酸血症のある方へ、
食事で何とかしようとするのは今風ではなくなりました。
健診の結果で尿酸値が異常値を呈している方は、
かかりつけの先生に相談をぜひしてみてください。