暴風雪の中のメリークリスマス。
さて今日見た記事の中に帯状疱疹への予防接種がありました。
以前にも少し書いたことがあります。
私自身は既に帯状疱疹の予防接種をおこないました。
帯状疱疹の予防接種といっても、
水痘ワクチンのことです。
平成26年10月から水痘ワクチンが定期接種化されました。
生後12~36か月の小児向けです。
小児向けの話し?
いいえ成人向けのお話しです。
①帯状疱疹の大元とは?
②帯状疱疹の発生率と原因
③帯状疱疹の症状
④後遺症について
①帯状疱疹の大元
幼少時に水疱瘡になると、
ウイルスが身体の奥深く(神経節)に住み着いてしまい、
免疫が低下すると必ずや再び帯状疱疹として表れてしまうのです。
②帯状疱疹の発生率と原因
免疫が低下する原因としては、
加齢、悪性腫瘍などの発生いろいろあります。
アメリカでは年間100万人の発生があるそうです。
その人が生涯発症するリスクは30%程度とされています。
人口1500人当たりでは年間2~3例が発症し、
上に記した免疫低下がある人に関しては、
そのリスクが20~100倍まで跳ね上がります。
(これは記事の内容をもとに書いてますが、
当院ではこれよりも年間2~3例の発症では済まない状況です。)
③帯状疱疹の症状
発疹が出る2~3日前に、
全身倦怠感、頭痛、発熱、腹部の皮膚の違和感があります。
(このような症状だけで診断することはかなり難しいです。
一度帯状疱疹にかかった人は確実にこの時点で受診されます。)
発疹は身体の半分だけに帯状に出現します。
水泡は7~10日で痂皮化(俗名:かさぶた)されます。
発症して72時間以内の抗ウイルス薬の投与がお勧めです。
後遺症の神経痛への対策も必要です。
(しかし腎臓の機能低下がある方、
水分が普段から十分に取れていない方は副作用に注意が必要になります。
腎機能の確認を常日頃からしておくことや、
脱水を生じない水分摂取量を維持することが大切です。)
また、新たに病変が出現する場合(地元では片側だけでなくぐるりと病変が身体を一周する場合はかなり危ないとおばあさんの知恵的なお話として伝えられています。)や、
眼病変(角膜まで発疹が及ぶ→お岩さんの顔貌をイメージしてください。放置すると失明をきたします。)
神経症状(目を閉じることができない、口角が閉まらないなどある場合は放置すると麻痺がそのまま残る場合があります。
痛みもその一つです。)
上記の病変や症状が認められる場合には、
抗ウイルス薬以外の治療も必要になるため、
病院へ早期受診しましょう。
④後遺症について
皮膚の病変が綺麗になっても残ってしまう場合があるのが、
神経痛です。(5人に1人の割合で発症するといわれています。)
治療法や内服薬が改善していますが、
気圧の変化に左右されたり、
のんびり過ごせるべき年代の時に、
思わぬ苦しみのもととなります。
普段元気な時にも栄養や体調管理をしっかり行っていないと、
太刀打ちできない後遺症です。
50歳以上の人に水痘ワクチンを接種することは、
帯状疱疹の減少につながる可能性が高いです。(この先生の主張)
中間管理職的な立ち位置(自身の子供と孫の間でお世話役をする方が一番大変)になりやすい年代でもあります。
全体像が見えないとなぜ今からワクチンと思われるでしょう。
でも幼少時に住み着いたウイルスを追い出すことはできませんし、
身体もいつまでも20代の免疫抵抗力を保持し続けることは難しいです。
免疫低下が起こりうる年代である事の認識と、
来ていただきたくない後遺症の神経痛を是が非でも回避するためにはワクチンはお勧めです。
(後遺症で悩まれる方は人知れずたくさんいらっしゃいます。
世間に届かぬ悩みの声を間近で聴いてきた立場なのでこの記事を書いた先生のお気持ちがとてもよくわかりました。)