便秘の季節のためか医療ニュースでも便秘がらみのお話がたくさん入ってきます。
腸内細菌叢をコントロールして難治疾患からの離脱を図ろうと、4つの病気があげられていました。
①関節リウマチ
②慢性腎臓病
③消炎鎮痛剤(非ステロイド系)による小腸潰瘍
④非アルコール性脂肪肝疾患
一見何の関連もなさそうな病気ですが。
ここで一つイメージしてみてください。
昔の学校の掃除風景です。
バケツになみなみと水を汲み、
その中で雑巾を洗っては拭き、
また洗っては拭くを繰り返すとどうなるでしょう?
バケツの中の水は透明な綺麗な水から汚れたごみの浮かぶ水に変わっていきます。
途中水を変えて掃除を続ける場合もありますが、
大体は一回限りの水の交換で、
最後にはドロドロの汚い水を流すことで終了見たくなってませんでした?
こんなことが体の中でも生じています。
水は血液の流れに相応。
バケツは腎臓。
汚くなった水は老廃物をため込んだ血液だったり尿だったり。
①関節リウマチの場合
お水を十分に飲まず、
便秘をしていると腎臓に負担がかかります。
それだけではなく、
便秘によって腸内細菌叢の乱れが起こったときに、
腸内細菌に対する抗体が体内で産生され、
何ということか自身の関節への炎症を引き起こす原因となっているというのです。
関節リウマチの治療する事で腸内細菌叢の変化も認められるという報告もあるそうです。
愛知医科大学の青木先生の50年にわたる研究の結果、
興味深い事が見いだされました。
(腸内細菌を変化させると関節リウマチの症状の改善できる)
先生ご自身より、
「腸内細菌叢のバランスの乱れは関節リウマチの発症の原因になりうると考えられる。」とお話されたそうです。
便秘ますます侮れません。
②慢性腎臓病→腎不全等
腎不全の治療薬は便秘を生じやすい傾向があります。
野菜に多く含まれるカリウムや十分な水分を取ることも難しくなる病気です。
腎臓の機能が低下しているため尿を作ることができない為、
カリウムや水分が機能以上に余分に摂取されてしまうと死につながります。
便秘によって食事の成分が毒性の強い成分に変化して、
バケツのごみのごとく全身を駆け巡ります。
チロシン→p-クレゾール(消毒薬(クレゾールせっけん)の原液)
フォスファチジルコリン→トリメチルアミン(魚の腐ったようなにおいの原因)
(*三つともものすごくくさそう~。)
が腸管壁を通り肝臓でさまざまな毒素に変化し腎臓が元気であれば尿として排泄されるはずのものが全身を駆け巡り、
内臓への負担となり病気の素を作り出します。
さて話はかわり、
今までの便秘薬の代表であるセンナシドは腸に対する刺激が強
く腸内環境を悪化させかねないこと。
マグネシウム入りの塩類下剤は電解質異常を起こしかねない危険があります。
しかし先日お話しした新しい働きかけで便通を改善する下剤がここで活躍してくれました。
滑りをよくする(腸液の分泌を増やす)便秘薬を使用してみたところもちろん便通の改善は認めらたうえに、
腎機能の改善を認めたそうです。
腎不全自体を治療する薬はないけれど、
便秘を安全に改善することで、
腎不全の悪化を助長する要因を減らすことができる=治療の一環として扱えるようになるといわれています。
ここでもいかに便秘をどうするかでことが運ばれています。
長くなったので後の二つは今度書き込みますね。^-^