ミクロソトフ 海を支配するミクロの植物怪獣
いつもならブックオフ行きのサイエンス。
お花畑になる前の父が取り寄せていました。
今まで聞いたことのない単語「みくろそとふ」、
間違い「ミクロソトフ」。
動物のように捕食をし、
植物のように光合成をする生き物。
混合栄養生物と言われる範疇のものみたいですが、
なんだかプランクトンの世界にも鯨や魚に食べられるだけではない、
厳しーい世界があるようです。
何となくかわいい感じのイメージのプランクトンですが、
ほとんどが混合栄養生物と言われる存在であるそうです。
光合成と捕食で生きているハイブリット生物。
捕食だけで生きている場合よりも、
光合成で栄養補給できるためよりリスクに柔軟に対応できるのです。
融通の利く利点は、幼魚の餌としての安定性が図れること。
悪影響が懸念される点は有毒な藻類の異常発生を引き起こして、
貝のふ化場を閉鎖に追い込んだり魚の大量死を招く場合もある事です。
しかし全体から見たこれらの存在は、
海水に含まれる二酸化炭素を除去する機能を持つため、
地球温暖化の一因となる世界中の炭素濃度が高くなることを防いでいてくれた可能性があります。
また沿岸海域では漁業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
混合栄養生物は夏期にもっともおおいプランクトンである事が、
シュミレーションによって判明しています。
純粋な植物プランクトンは春に増えた後は減少してしまうため、
ひ弱な稚魚は植物プランクトンに頼れません。
しかし、混合栄養生物は夏期にも存在し、
この期間に良質で栄養豊富な食物として稚魚を支えてくれます。
Aditee Mitra 先生のお話しでした。(英ウェールズにあるスウォンジー大学の生物科学講師
日経サイエンス 2018/7月号より