自分への愛情のかけ方

生活の知恵的な体調管理

見た目は内臓老化と比例する?

昭和大学内科(糖尿病、内分泌代謝系教授)山岸先生のお話です。

糖尿病の三大合併症として失明、腎機能低下、末梢神経障害があります。

全て高血糖による血管の炎症が原因です。

 

その原因を作り出すのが、

最近よく聞く終末糖化産物(advanced glycation endーproducts: AGEs)

こちらは、加齢、炎症、虚血、高血糖下でも生成され、

蓄積して体内の老化を進めるだけでなく見た目の老化(しわ、しみ、たるみ、薄毛)を引き起こしてきます。

AGEsそのものだけではなく、細胞表面にあるAGEs受容体(receptor for AGEs:RAGE)をによって認識されると、酸化ストレスや炎症反応を起こすことで心血管合併症、骨粗しょう症

アルツハイマー病、癌などを引き起こしてきます。

ずいぶん前に耳たぶのシワが心筋梗塞を予測するかもという記事を書いたことがあります。

 

老け顔を追跡調査した研究がありました。

1826人の双子の(70歳以上)の検討から、老けて見られた双子の方が、そうでない人よりも7年後の死亡率が高くなる。(山岸先生:皮膚AGEs値は見た目年齢と相関する2015)

コペンハーゲンでの35年に渡る40歳以上の10885人の追跡調査では、

1)見た目の老化の兆候(前頭部、頭頂部の脱毛、耳たぶの深い溝、まぶたの黄色腫)と心筋梗塞の発生率に有意な相関がある事。

2)見た目の老化兆候の数が増えるにつれそうでない人に比べて、

心筋梗塞のリスクが57%、心臓病のリスクが40%上昇する。

これらから、見た目年齢が将来の心血管病リスクや寿命を予測し、

老化の一指標と

なることを表している。

 

*アンチAGEs対策*

日本人1,1万人を対象とした研究から年齢とは独立して、

生活習慣の歪み(運動不足、喫煙、精神的ストレス、睡眠不足、朝食抜き、甘いものを多くとるなど)によってAGEsの蓄積が亢進することが判明。

 

1)外因性のAGEsの摂取を控える。

肉製品や脂肪に富む食材を揚げたり、焼いたりしたさいにAGEsが多く生成される。

水分を多く使い長い時間をかけ、ゆっくり蒸したり、茹でたりする調理方法はAGEsを生成させにくい。

食材の褐変化(茶色い弁当あるある)おおよそAGEs含有量の目安となる。

ブドウ糖に比べ、果糖は10倍AGEsを形成しやすい。

(甘い炭酸系はアウト!)

レモンや酢は調理の過程でAGEsの生成 を抑える。

医療用吸着炭はAGEsの吸収を阻害する。

 

2)AGEs-RAGE系を抑えるファイトケミカル

スルフォラファン(ブロッコリースーパースプラウトにはスルフォラファン前駆体が高濃度に含まれている:注#1)とケルセチン(玉ねぎの皮!)

 

お肉も選んで食べましょう(汗)。

褐変化の大きい美味しいご馳走は時々食べることにしましょう(汗)。

 

#1健康な成人25人に、ブロッコリースーパースプラウトを毎日25g2ヶ月間摂取させることで、血中AGEsレベルが顕著に下がり、体重、Hba1c,拡張期血圧、総コレステロールが低下した調査結果あり。

 

山岸先生の著書:老けたくなければファーストフードを食べるな

 

 

 

AGEデータブック 数字でわかる老けない食事

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  • 発売日: 2019/08/19
  • メディア: 単行本