サイエンス11月号にサイエンスライターのC.ウォリスさんが、
譫妄の予防策として以下のことを言われていました。
*譫妄を予防あるいは短期ですむようにする基本的な方法*
1,水分を十分に摂取する
2,めがねや補聴器を使っている場合はそれを手の届く場所に置いておく
3,なるべく早くベッドをでて歩く
4,十分な睡眠をとる
5,病院のスタッフや家族と会話するなどの社会的行動をする
ハーバード大学の井上教授が1993年に開発して現在世界中の病院で使われている
予防手順HELP(ホスピタル・エルダー・ライフ・プログラム)でもこれらを重視しているそうです。
現場ではもう少し具体的な数値も記載されるとおもうのですが、
おかしいと思いません?
ここに入院する前のその方の栄養状態とか、
食餌内容,日常生活のすごしかたとかは含まれていないのです。
そのようなことはすでにできていた当たり前の前提です。
入院を必要とする全ての人が同じ生活をしているわけではありません。
大きな基本軸のところだけ取り上げていますが、
これさえやればOkというものでもありません。
(注:病院への入院時に研修医の時にきちんと聞くよう指導されます)
いつも医学系の情報は、
エビデンスありきといってる割に、
人間そのものの身体はブラックボックス化されていて、
その前の日常生活はなき者がごとしで素通りされて診断に向かってしまいがちです。
その時の身体状況で検査やお薬が用意されていきます。
具合の悪い人を前に日常生活の云々を聞いて全体像をみわたす時間も気持ちの余裕も現場ではありません。
結局普段の過ごし方については自分自身で勉強して身を守ることしかできません。
手術や入院することことは高ストレスな状態です。
たぶんビタミンCはフル回転で必要とされるでしょうし、
術後の傷の補修で亜鉛や鉄やC以外のビタミンだって必要量が、
自宅にいるときよりは増加しているはずです。
現実に病院にいかなくても譫妄は起こります。
自宅で生じる場合の基本的な原因として多いのは、
脱水、便秘。
(脱水の原因は様々で、水分摂取量の低下、下痢、嘔吐、熱発(尿路感染症など)。
室温の設定が高すぎる、床暖房、電気毛布、ヒートテック下着。
病院以外でも脱水をおこしいやすい状況が増えてきています。
便利な物ほど見えない副作用が存在しています。)
自宅でマイペースで大事に過ごされて来られた方ほど、
そのギャップへのビタミンの消費量は増加すると思います。
十分な栄養状態が基本にあるかどうかの確認も重要事項に入っていたら、
もっと退院がスムーズにできる高齢者が増えると思います。
(でもお年寄りは面倒くさがり屋さんが多くなります。
水分補給だけでもしっかりしてもらえたらピンピンコロリの道に繋がるのにと、
いつも地団駄踏んでます)