糖質制限ダイエットや、
小食による長生き遺伝子の活性などいろいろな健康法が叫ばれています。
健康な方の体内ではそれほど影響を及ぼさない行為かもしれません。
病気で手術、入院などしている方が栄養をおろそかにすると、
その影響はすぐに悪い方向に進んでしまいます。
絶食が続くと栄養を吸収する場所である小腸がダメージを受けやすくなるため、内視鏡検査の前日からの絶食の指示なども緩やかになってきています。
健康な人だから少しぐらい具合が悪くなっても、他の目的のためにはやってみてもいいじゃないかという考えなのかもしれません。
血糖が低下してエネルギー不足になるのを避けるために二つの経路が用意されています。
解糖系と糖新生です。
解糖系のエネルギー貯蔵期間はせいぜい一日が限度。
もう一つの糖新生はエネルギーが、
不足したときに筋肉内のアミノ酸や、
乳酸などが肝臓で合成されてグルコースを作り補います。
ランニングをされている方たちは、
BCAA(アミノ酸)入りスポーツ飲料を、
疲労予防にすでに使われていると思います。
エネルギーを作り出す経路を調節するのに必要なのは、
酵素です。
酵素=タンパク質。
いろいろな要素が絡まってエネルギーが生み出されています。
ややこしくなりましたが、
栄養不足が続いた後の痩せは、
肝臓のグリコーゲンが枯渇してしまい、
代わりに筋肉や脂肪などがエネルギー源として使われた結果というわけです。
見た目は痩せてビューティフルでも、体の機能は低下しています。
ずいぶん前は、病院でも経口摂取ではなく、
太い静脈に点滴をしていました。
(腸管を使わないところは絶食と同じです)
ある外科の先生が、手術をしても傷口が良く治る人と治らない人とがいることに着目して研究を始めました。
点滴内の栄養成分は完璧ですが、
足りないであろう成分を点滴で補充するだけでは、
いけないことに気が付きます。
何をどこから入れるかの重要性にも気が付きました。
筋肉がしっかりしている人はげんきそうにみえますよね?
肝臓の手術をした方でも、筋肉がしっかりある場合、
傷の治り(肝再生)も良かったそうです。
筋肉内で代謝されたBCAA(アミノ酸)が、グルタミン酸を作ります。
そのグルタミン酸は腸管のエネルギーとなって栄養素の吸収を良くします。
グルタミン酸はまた、腸管の委縮を予防します。
腸管を通して、筋肉と肝臓がつながっていたのです。
純粋に必要な成分を効率良く体内に血管を通して与えるだけでは、十分なエネルギ―が産生されないどころか、
腸管の委縮を起こすだけだったということがわかり、
経口摂取(口から食べる)の重要性が、明らかになりました。
見た目の良さは大事ですけれど、
身体に負担のかからない方法を選んでくださいね。