自分への愛情のかけ方

生活の知恵的な体調管理

身体の扱い方

ずいぶん前になりますが、

40代半ばの漁師さんが、

インフルエンザかもしれないと見えました。

 

その年は天候不順でしけの時が多く、不漁続きでした。

 

前の晩に熱発があり、見えたときには熱が下がっていましたが、

かなりだるそうな表情をされてました。

 

嗜好品(タバコ、アルコール)について確認をしました。

どちらもふだんから、かなりたしなまれていたため、

体調が戻るまではいったん止めてくださいとお話ししました。

 

冬場は天候の影響で、漁に出る回数が限られます。

月に1,2回という年もあるそうです。

 

だからこそ、体調管理しっかりしなければいけないと思うのですが、十人十色です。

 

その方の場合は、パチンコ、アルコールで気を紛らわせるとのことでした。

そこへインフルエンザですから、

面白くありません。

 

自然相手の仕事の場合、思うように仕事の場が与えてもらえません。

その上、板の一枚の下は深い海。

体力も気力も必要とする仕事です。

仕事が思うようにできない苦しみから、

逃避するためのアルコール等は時々であればいいのですが、

時々でなくなります。

 

奥さんは心配で、気が休まらないだろうなと思います。

でも家族のいうことは、聞きません。

 

そこで登場するのが、時々相手になる私です。

こわーい鬼婆役を仰せ使います。

 

いくら言っても家族のいうことはきかないタイプが多いですから、たっぷり飲んだ頃に見えたときには、

すかさず血液検査をおこない肝機能のチェックをします。

大体異常を呈していることが多いので、

出てきた数字を見てもらいながら、なるべく休肝日を取る必要についてお話しします。

 

海の仕事は、うまくいって調子の良い時、

気分は最高です。

でも陸の仕事より、危険が伴いストレスの多い仕事です。

そのストレスを紛らわせるには必要なお酒やパチンコなのかもしれません。

 

身体を大切にしてほしいと思いますが、

その方たちにしたら、

現実的ではないのかもしれません。

 

ただ情報として身体の扱い方を、知っているかいないか。

このまま好きなだけアルコール飲んでいたらどうなるか。

 

具合が悪ければ医者は治すのが仕事だろうと、

普段の生活は顧みてもらえません。

 

日常生活の全体の在り方が大切なのに、

仕事第一主義の方が多く、

具合が悪くても無理をかさねてしまいがちです。

 

「おっかねー」と言われながらも

鬼婆の立ち位置としての声掛けが、

嗜好品による影響が出始める年になる前に、

自分のため、家族のために、

行動を変えるきっかけの一つになればいいなと思います。